演劇で食べていく

演劇で食べていく ~俳優の種類「舞台俳優」とは?~

舞台俳優は、芝居公演やミュージカルなどの舞台作品に出演し、役柄に合わせた演技を行うのが仕事です。


身体一つで全てを表現する必要のある舞台作品では、劇場全体の空間を使った独特な表現方法・演技が求められます。
実際の演技も観客を前にリアルタイムで行われるため、テレビや映画のように「失敗したから撮り直し」はできません。

同じストーリーを、何度も繰り返し演じることがあるのも、舞台作品の特徴です。
本番中に新たな発見や改善点が見つかることもあるので、長い公演期間の中で演出や表現、登場人物のセリフが変わることもよくあります。この変化の過程こそが舞台の醍醐味であり、それを求めて何度も舞台に足を運ぶお客さんもいるほどです。


舞台作品に出演したいのであれば、劇団に所属するか、オーディションの情報を探すのが一番です。
舞台のオーディション情報は一般にも広く公開されていますので、自分に合った募集情報を探すこともそう難しくはないでしょう。

全くの新人にもチャンスがあるのが、舞台の良いところ。
映画やテレビ、CMで活躍する有名芸能人の中にも、一つの舞台がきっかけで俳優として一躍有名になれる人もいます。

舞台や芝居の客席

舞台では誰にでもチャンスが与えられる


舞台俳優の収入源

舞台俳優は、舞台に出演して出演料をもらうのが仕事です。

映画やテレビのように、出演作が全国で一気に有名になるというケースはあまりありません。
(ただし最近では舞台のDVD化など、メディアの露出は少しずつ増えてきています)

舞台では実力が全てのため、実力のある女優や俳優に対しては、誰もが敬意を払います。
映像作品のような派手さはありませんが、一度実力が認められれば、俳優として息の長い活躍が可能です。


舞台の出演料は?

通常、舞台俳優の出演料は1公演あたり数千円~1万円程度。有名俳優で1公演30万~50万円ほどです。

映画やテレビに比べると、割安に感じられるかもしれませんが、複数回公演される舞台の場合は、公演回数分の出演料が支払われますので、単発のドラマよりは安定した収入が見込めます。
特に有名な劇団や芸能プロダクションが主催する大型公演の場合は、公演回数が地方を含めて30~40ほどになりますので、一作品で数百万円~1500万円近くの出演料が発生することも珍しくはありません。

舞台俳優は、舞台が始まれば公演本番だけで1~2ヶ月間、稽古やリハーサルも含めて数ヶ月間は舞台に集中することになります。
スケジュールの密度にもよりますが、一旦舞台が始まってしまえば、他の仕事はほとんど受けることができません。
したがって単純に金額だけで考えると、映画やテレビなど映像作品に比べて、舞台作品の収入は少ないです。

舞台に出演することの素晴らしさは「演技をリアルタイムで改善・成長することができる」ということです。
映画やテレビでは、一旦撮影してOKが出たシーンを再度撮り直すということはめったにありません。
後から「もっとこうしたほうが良かったかな?」と思っても後の祭りです。

その点舞台作品では、同じ作品の同じシーンでも、観客の反応を見ながら日々演技の手法や表現を変えていくことができます。
これは一度決まったものを放送するしかない映像作品には絶対不可能なことです。

またたとえ単発の舞台であっても、目の前で舞台を観に来てくれているお客さんとの一体感、一発勝負の緊張感は他では得ることができません。あくまでも演劇一本で勝負していきたい女優や俳優の人にとっては「舞台俳優」は最高の職業です。