- 2019年05月12日
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『映像』の演技はスピード感命! 舞台・映像・声の演技の違いを用語とともに解説します!
演技には大きく分けて、『舞台』・映画やドラマといった『映像』・アニメや洋画の吹き替えといった『声』、の3つの種類があり、演技の種類によって求められる演技は変化します。他の人の人生を生きるという点では、演技の根本は変わりませんが、求められるものは変わってきます。3回に分けて『舞台』・『映像』・『声』の演技の特徴をお伝えしていきます。今回は『映像』編です。
映像の演技の4つの特徴
映像前での演技の特徴は主に以下の4つがあります。
1.撮影にスピード感がある
2.相手役ではなくカメラに向かっての演技をすることがある
3.同じ演技を再現する必要がある
4.共演者なのに会わないことがある
以下、それぞれ説明していきます。
1.撮影にスピード感がある
映像の撮影はスピード感があります。撮影の現場によって状況は異なりますが、台本が渡されてカメラの前で演技をするまでの時間はとても短いです。撮影現場に入ってから台本を渡されて、短い時間にセリフを覚えて撮影なんてことも度々あります。舞台での演技と異なり稽古はほとんどありませんので、台本を素早く読み解き、素早くセリフを覚えるスピード感が必要となります。
2.相手役ではなくカメラに向かっての演技をすることがある
相手役ではなくカメラに向かっての演技を求められることがあります。例えば、男性が女性に告白するときに、男性の胸から上がアップになって表情が映されているシーンがあると思います。お互い見つめ合って告白しているシーンですが、実際の撮影現場では男性の役者はカメラのレンズと見つめ合って告白をします。つまり女性の表情を見ることが出来ないわけで、告白している相手の表情などは想像で補う必要があるということです。頭に入れておきましょう。
3.何度も同じ演技をする必要がある
映像の演技では何度も同じ演技をする必要があります。一つのシーンであっても正面から撮影したり、横から、斜めからとカメラのアングルを変えて撮影することがあります。同じシーンをアングルを変えて何度も撮影するので、何度も同じ演技をする必要があります。例えばコーヒーを飲むシーンの場合、正面から撮影したときは右手でカップを持ったのに、斜めから撮影したときに左手でカップを持ってしまうとつじつまが合わないためNGとなります。映像の演技をするときには、自分がどのような動きをしたのか、どのようにセリフを発したのかを意識しておく必要があります。
4.共演者なのに会わないことがある
映像の撮影では、出演シーンの場所が異なる場合、共演者なのに会うことなく撮影が終わってしまうこともあります。シーンの上では電話で会話をしているとしても、撮影の時に電話から相手の声が聞こえてくることはありませんので、相手の声を想像して演技をする必要があります。
まとめ
華やかに見える映像の撮影現場ですが、スピード感や想像力が求められる大変さがあります。どんな撮影になりそうなのか、事前にある程度イメージして撮影に臨めるといいですね。
ライター・俳優: 綱斗
綱斗と申します。現役で役者をやっていますので、皆さんの立場を理解したうえでの記事作成を意識しています。書いてほしいテーマがありましたら是非お知らせください!
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