8月5日(金)に開幕するリオデジャネイロオリンピックのTBSメインキャスターをSMAPの中居正広さんが務めることが発表されました。中居さんは2004年のアテネオリンピックから夏季・冬季を通じ、7大会連続のオリンピックキャスター就任。
中居さんのほか、今回のリオ五輪でも各局で人気タレントらがキャスターを務めますが、これまでオリンピックのキャスターを務めた人にはどんな人がいるのでしょうか。振り返ってみましょう。
2000年代前半にはモーニング娘。も応援に活躍
オリンピックの民放での放送でタレントキャスターの起用が目立ち始めたのは2000年代に入ってから。2000年のシドニーオリンピックでは、当時『王様のブランチ』の人気MCだった寺脇康文さんがTBSでキャスターを務めました。同大会のTBSの番組では、モーニング娘。も“ニッポン応援団”を務めましたが、続く2002年の冬季ソルトレイクシティオリンピックではその中心メンバー・安倍なつみさんが、狂言師・和泉元彌さんとともにTBSのキャスターを務めました。それから12年後、モーニング娘。は2014年の冬季ソチ大会で公式応援ソング『君の代わりは居やしない』を歌っています。
お笑い界きってのスポーツ通・明石家さんまはシドニー、アテネなどでキャスター
2000年シドニー大会の日本テレビ系では明石家さんまさんがキャスターに。さんまさんは続く2004年のアテネ大会、2008年の北京大会でも日テレ系の現地キャスターを務めています。さんまさんはサッカーをはじめ、さまざまなスポーツのウォッチャーとしてその熱心さと知識に定評があり、また明るいキャラクターで番組を盛り上げてくれます。そして今年、リオデジャネイロ大会でも嵐・櫻井翔さんとともに“キャプテン”として日テレ系の番組に出演します。
嵐・櫻井翔も5大会連続キャスターに
さんまキャプテンとともに日テレ系のリオオリンピックキャスターに就任した櫻井さん。2008年の北京オリンピックから5大会連続になります。同局の『NEWS ZERO』でも長年キャスター務める櫻井さん。その理知的な雰囲気と爽やかな笑顔が女性を中心に高い支持を集めています。ジャニーズ勢では、TOKIO・国分太一さんも2012年のロンドン大会と2014年の冬季ソチ大会でフジテレビのキャスターを、井ノ原快彦さんが2010年の冬季バンクーバー大会でテレビ東京のメインキャスターを務めています。
熱血応援の松岡修造はすっかりテレ朝の顔に
TBS中居さん、日テレ櫻井さんとともに、オリンピックの“顔”となっているのが、今回もテレビ朝日系でキャスターを務める松岡修造さん。日本テレビ系で1998年冬季長野大会、2000年シドニー大会で現地キャスターを務め、2002年冬季のソルトレイクシティでメインキャスターを担当。そして2004年のアテネ大会以降、6大会でテレビ朝日のキャスターを務めています。2008年の北京大会ではJOC公認の日本選手応援団長、2012年のロンドン大会ではJOCによる日本代表選手団応援プロジェクト「1億2500万人の大応援団」の応援団長にも任命されています。松岡さんの熱血応援はオリンピックに限らず、国際スポーツ大会中継の名物となっています。松岡さんが応援する姿を見ているだけでも楽しい気持ちになります。
近年はオリンピックメダリストのキャスターも目立つ
松岡さんだけでなく、元スポーツ選手がキャスターを務めるケースも目立ちます。2008年の北京大会では元プロ野球選手の古田敦也さんがフジテレビのキャスターを務めました(この大会では“キャプテン”としてダウンタウン浜田雅功さんも出演)。同じく北京大会ではフィギュアスケートでトリノ五輪金メダリストの荒川静香さんがテレビ東京のキャスターを草野仁さんとともに担当。荒川さんは、続く2010年の冬季バンクーバー大会、2014年の冬季ソチ大会でも日テレ系で櫻井翔さんとキャスターを務めています。同じくバンクーバー大会では、シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんがTBS系で中居さんとキャスターを務めました。そして今年はTBSで再び中居さんとタッグを組みます。元スキー・ノルディックの荻原次晴さんはソチ大会でテレビ東京の中継キャスターを担当しました。
上戸彩、相武紗季、ベッキー…女性タレントのキャスターも
前回ロンドン大会では、前出の中居さん、櫻井さん、松岡さん、国分さんのほか、テレビ東京では佐藤隆太さんがメインキャスターに、また、くりぃむしちゅーの上田晋也さんは日テレで櫻井さんとともにキャスターを務めました。
比較的男性タレントが務める機会が多い五輪キャスターですが、2006年冬季トリノ大会では上戸彩さんが日テレ系のキャスターを、2008年の北京大会では相武紗季さんがフジテレビのキャスターを務めました。また通常アナウンサーがメインキャスターを務めることが多いNHKですが、2010年の冬季バンクーバー大会ではその日の競技のダイジェスト番組『バンクーバーオリンピック~ベストセレクション』でベッキーさんがキャスターを務めています。
リオ大会ではフレッシュな五輪経験者も続々キャスターに
上記以外の今年のリオ大会の各局のキャスターを見てみると…。日テレ系は櫻井翔さん、さんまさんとともに、くりぃむしちゅーの上田さん、そして元体操選手の田中理恵さんがアスリートキャスターを務めます。テレ朝系は松岡さんに加え、ロンドンの銅メダリスト・水泳の寺川綾さんがフィールドリポーターを担当。テレビ東京系は小泉孝太郎さんがメインキャスター、キャスターにプロフィギュアスケーターの織田信成さん、タレントの照英さんが起用されました。そしてフジテレビは、柔道で3連覇の偉業を成し遂げた野村忠宏さん、フィギュアスケートでバンクーバー銅メダリストの高橋大輔さん、シンクロナイズドスイミングでソウル銅メダルの小谷実可子さんが務めます。
“ビジネス” ではない根っからのスポーツ好きで、幅広い層に支持される人が条件
オリンピックキャスターに起用されるタレントの条件としては、まず当たり前のことですが、スポーツ大好き人間であること。2週間以上にわたりさまざまなスポーツについて語ることになるため、生半可な思い入れの“ビジネス”スポーツ好きでは務まりません。そういう意味では、元スポーツ選手、オリンピック経験者、とりわけメダル獲得者は説得力があります。
さらに、テレビでの露出の頻度が圧倒的に多くなるので、男性アイドルであっても女優でも、特定の層だけでなく、幅広い層に受け入れられるキャラクターの人が求められます。今年は、すっかり五輪の顔となったタレントキャスターたちとともに、オリンピック経験者のアスリートたちも目立ちます。実に安定感のある顔ぶれといえるでしょう。競技とともに、キャスターたちの思い入れいっぱいのトークも楽しみですね。
文/田中裕幸