2016年夏ドラマもそろそろ中盤を迎えます。ちなみに、小学生や中学生のお子様をお持ちのお母さん、お父さんは、お子様にドラマを見せていますか?ドラマはとても面白いものですが、やはり内容によっては「これは子供には見せられない!」なんて思う作品もあります。最近のドラマで多いいじめや不倫などの描写は、出来れば子供には見てほしくないと思うのは親として当然でしょう。
一方で、この作品はぜひ見てほしい!そんな風に思う作品もたくさんあります。親から子へドラマを通して伝えたいこと。もちろん人それぞれだとは思いますが、私の場合はやはり「家族の温かさ」や「他人への思いやり」、ドラマからそんなものを感じて貰えたらいいなと思います。そこで今回は、「子供に見せたい昔のドラマ」と題して、私が独断と偏見で選ばせていただいた5つの作品をご紹介させていただきます。
ぽっかぽか(1994年~)
原作は深見じゅんさんによる漫画作品で、1994年にTBSにて放送された昼ドラです。そのほんわかした雰囲気と幸せな家族を描いたストーリーが主婦層の心を掴み、その後95年にぽっかぽか2、96年にぽっかぽか3が放送されています。
物語の中心は普通のサラリーマンと普通の専業主婦、幼い娘の3人家族、田所家。夫である「慶彦(よしひこ)」を羽場裕一さん、妻「麻美(あさみ)」を七瀬なつみさん、そして娘「あすか」を上脇結友さんが演じ、山田雅人さん、松田美由紀さん、栗田よう子さんなどが脇を固めます。
このドラマの見所はやはり、その名の通り「家族の温かさ」。結婚する意味が分からないなんて若者には一度は見てほしい。もちろん我が子にも。決して高給取りではない夫、ぐうたらで面倒くさがりな妻、自由奔放でまっすぐな娘。きっと、どこにでもいる普通の家族です。その家族が見つけるたくさんの小さな幸せ、そして視聴者への温かなメッセージ。毎回エンディングが流れる頃には、視聴者の心は“ぽっかぽか”なのです。この温かさはきっと子供にも伝わるハズです。
北の国から(1981年)
もはや改めて語る必要もないほどに有名な国民的ドラマです。しかし、今回特にお勧めしたいのは、ドラマスペシャルの方ではなく、1981年に連続ドラマとして放送されていた、幼い子供たちの成長物語。そして、お世辞にも“出来た父親”とは言えない五郎との家族愛です。
純 「電気がなかったら暮らせませんよ」
五郎「そんなことはないですよ」
純 「夜になったらどうするの?」
五郎「暗くなったら寝るんです」
スマホやパソコン、インターネット。便利になった世の中を当たり前に暮らす今だからこそ、子供たちにはぜひ見てほしい作品です。
泣くな、はらちゃん(2013年)
懐かしのドラマと呼ぶにはだいぶ新しめの作品ですが、ぜひお子さんたちにも見てほしい素敵なドラマなので、選んでみました。
田舎のかまぼこ工場で働く独身アラサー女子、越前さん。彼女が趣味で描いている漫画の世界から、現実世界へと飛び出してきたのが主人公のはらちゃんです。この物語はファンタジー要素満載ではあるのですが、ファンタジーの中に描かれたとても現実的な、生きていく上で非常に大切な何かを教えてくれます。
漫画の世界から突然飛び出してきたはらちゃんには、まったくこの現実世界の事が分かりません。言ってみれば生まれたばかりの体の大きな子供なわけです。そんな彼が一目ぼれしてしまう相手が、はらちゃんたちを作り出した(漫画を描いた)越前さん。日々、成長していくはらちゃんと越前さんの姿からは、子供たちに感じてほしい“何か”が詰まっています。一度聴いたら頭から離れない音楽も、子供たちが元気に歌える素敵な曲です。
君の手がささやいている(1997~2001年)
軽部潤子さん原作で、1997年から2001年にかけてスペシャルドラマとして放送されたドラマです。この作品を通して子供に感じてほしいのは、“思いやりの心”でしょうか。
聴覚障害を持つ主人公の武田美栄子を菅野美穂さんが演じ、相手役の野辺博文には武田真治さん。二人が互いに支えあいながら困難を乗り越えていく姿は、きっと涙なしに観る事は出来ません。また、美栄子と両親とのやりとり、家族愛もみどころのひとつ。恋愛要素もたくさん出てきますが、そこに描かれているのは、心に響く“真実の愛”。決して「子供に見せたくない」恋愛描写ではないと思います。
だいすき!!(2008年)
愛本みずほさん原作。2008年に香里奈さん主演でドラマ化されました。「君の手がささやいている」は聴覚障害のヒロインでしたが、こちらの作品「だいすき!!」は、軽度の知的障害を持つ母親・柚子と、その娘・ひまわりを中心とした物語です。
やはり、健常者のそれとは比較にならないほど大変な子育ての中、彼女なりに奮闘しながら、娘とともに母として大きく成長していく柚子の姿。そしてそれを支える家族や周りの人たちの献身的な愛。泣けます。いや、泣きます。親から子への想いはもちろん、子から親への想いも感じられる素敵な作品です。
というわけで、子どもに観せたい懐かしのドラマと題し、いくつかの作品をご紹介させて頂きました。もし機会がありましたら、ぜひお子様と一緒にご覧になってみて下さい。どの作品からもきっと、親から子どもに伝えたい“大切な何か”を感じとってくれると思います。
記事:猫狸犬虎