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  • 2017年03月09日

「PPAP」「ペンパイナッポーアッポーペン」の権利問題ってどうなった?「著作権と商標権」について弁護士に聞いてみた!

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少し前に、ピコ太郎さんの「PPAP」や「ペンパイナッポーアッポーペン」の商標登録に関する問題がニュースなどで話題となりましたが、実際のところ、どういった制度の中、どんな権利が行使されどのような申請・出願がおこなわれていたのか、いまいち把握出来ていない、そんな人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、著作権と商標権について弁護士の先生に改めて聞いてみました。今回「著作権と商標権」について教えて頂いたのは、アディーレ法律事務所の岩沙好幸先生です。






しかし、他人が芸や楽曲に使用する文字を商標登録することが登録拒絶事由に該当しないのかどうか、また、ピコ太郎さんは、「PPAP」等について著作権を有しているため、商標登録を認められた企業がこれを使用することが、許されるかが問題となります。





登録拒絶事由はいくつかありますが、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標を登録拒絶事由と定めており(商標法4条1項7号)、出願の経緯や目的が社会的相当性を欠くような場合がこれに当たるとされています。

ピコ太郎さんが芸や楽曲に使用している造語を商標として出願することはその経緯や目的が社会的相当性を欠くとされ、登録拒絶事由に当たるとされる可能性があります。

ただし、公の秩序や善良の風俗といった概念は多様な解釈があり得るので、今回の出願が登録拒絶事由に当たるとは限りませんが、商標法29条は、商標登録が認められた場合に、この登録商標が、商標登録出願の日より前に生じた他人の著作権と抵触するときは、これを使用することができないとしています。

「PPAP」等の芸や楽曲に用いられる造語には創作性が認められ、ピコ太郎さんが著作権を有しているので、この登録商標を商品に付するなどして使用することは、ピコ太郎さんの著作物についての複製権の侵害となるため、ピコ太郎さんの承諾なくこれを使用することは許されないことになります。





これに対し、著作権法は、人の思想・感情を表現した著作物を保護の対象とするもので、表現に一定の個性がある著作物が創作されれば、その時点から、登録等の手続きを行わなくても保護の対象とされます。また、著作権は、保護期間が長いことが特徴で、創作者の死後50年間保護されます。

登録の手続をせずに保護の対象とされること、保護期間が長いことは、著作権に強い権利性が認められますが、商標のように登録主義が採られていないため権利の発生時期が不明確であり、権利の侵害基準にもあいまいな面があります。

このように、商標権と著作権は、法的性質が異なるため、一概にどちらが強い権利ともいいにくく、一長一短があることになります。