ボーカルオーディションに何度も受けても落ちる人もいれば、パッと受かってメジャーデビューしてしまう人もいます。彼らの違いとはいったい何なのでしょうか?プロデューサーの立場になって考えると、彼らの違いが見えてきます。
すでにファンがついているインディーズ歌手
なぜプロデューサーは歌手をプロデュースするのか?
答えは単純明快、「お金儲け」のためです。
プロデューサーは歌手をデビューさせるとき、レッスン代やプロモーション代として、投資者に多額のお金を投資してもらいます。歌手をデビューさせても、まったく売れなかったら、投資者にお金を返すことができません。
なので、ボーカルオーディションでは、プロデューサーは多くの人にCDを買って貰えるような歌手であるかどうかを審査しています。その点、すでに熱狂的なファンがついているインディーズの歌手であれば、いったいどれくらいの人はCDを買ってくれるのか予測が立てられます。その予測売り上げ金額からプロモーション代を算出できるので、全くの素人に比べて赤字のリスクが減らせます。
人気のインディーズ歌手はボーカルオーディションでは非常に有利なのです。
時代の先手をいっている「次世代アーティスト」
プロデューサーは常に時代の先手を見ています。
「次はこういう歌手が流行るのではないか?」というイメージをもとにボーカルオーディションをしているのです。
全くの素人であってもそのプロデューサーが考える「次世代のアーティスト」のイメージに当てはまれば合格するでしょう。
もしあなたが次の音楽のシーンに一家言があるほど本当に音楽が好きなのであれば、あなたにとっての「次世代アーティスト」をボーカルオーディションで提案するのも強いインパクトを残すでしょう。
プロデューサーは新しい何かを求めてボーカルオーディションをしているので、「今の流行」ではなく、「次の流行」を表現できる人が合格します。
オーディションに落ちる人はどんな人?
逆にどんな人がボーカルオーディションに落ちるのでしょうか?
1.癖の強い歌い方をしている人
仮にその人が人気のインディーズ歌手であれば、その癖を指示している人がとても多いわけなので、それも個性の一つとして受け入れられます。しかし、そうでなければ、癖のある歌い方をする人はプロデューサーに嫌がられます。なぜなら一度ついてしまった癖を直すことはとても困難だからです。
2.新しいものを感じさせない人
「新しい何か」を求めてボーカルオーディションをしているわけですから、新しい何かを表現できない人は落とされます。「新しいモノなんて思いつかない!」という人は、時代を逆張りして、あえて昭和を表現するのもテクニックです。
3.既存の歌手のマネをしている
ボーカルオーディションでは「新しいナニか」を求めていると前述しました。既存の歌手の物まねは、あなたの個性が見えない上に、「新しさ」がないので御法度です。
ボーカルオーディションに合格すれば、音楽会社やプロデューサーは、莫大なお金をかけてあなたを売り出します。もし売れなければ会社が倒産するかもしれません。ようするに、それくらいの投資をしても黒字にできるくらい価値があると思われる人材でなければボーカルオーディションに受からないということです。
自分の魅力と価値を見極める目が、ボーカルオーディションではとても重要なのです。