今月からスタートしたNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』でヒロイン・百音役を演じる清原果耶さん。これからのドラマ、映画界を引っ張るであろう期待の若手女優として注目されています。そんな清原さんは2002年1月生まれの19歳。実は彼女と同じ2001年度生まれには、彼女に負けず劣らず、今後期待の女優が目白押しで、“新・女優黄金世代”といえる学年となっています、
★NHKドラマで大事に育てられている印象 デビュー7年目で朝ドラヒロインの座に
清原果耶さんのデビューのきっかけは12歳のとき。2014年、現・所属事務所のオーディションイベント『アミューズオーディションフェス2014』に応募、32214人の中から見事グランプリに選ばれました。そして女優としては2015年10月期のNHK連続テレビ小説『あさが来た』にて、ふゆ役でデビュー。初々しさを見せながらも、しっかりとした演技で注目されました。
清原さんはその後も節目節目でNHKにてドラマ出演。2016年から放送された大作ドラマ『大河ファンタジー 精霊の守り人』では綾瀬はるかさんが演じた主人公・バルサの少女時代を演じました。そして2018年『透明なゆりかご』で初主演。清原さんの熱演で、数々の賞を受賞するなど高い評価を受けました。2019年にはドラマ『蛍草 菜々の剣』(BSプレミアム)で時代劇初主演します。
朝ドラには2019年4月度の『なつぞら』でもヒロイン・広瀬すずさんの妹役を演じ、今回3度目の出演でヒロインに抜擢されました。『あさが来た』に始まり、段階的に新たな挑戦の場を与えられ、NHKから大事に育てられている印象の清原さん。自身もその演技で見事に応えてきました。
もちろんNHKドラマ以外にも多数の作品に出演。『俺の話は長い』(2019年、日本テレビ系)などの民放ドラマのほか、ヒロイン役を演じた『3月のライオン』、初主演作『宇宙でいちばんあかるい屋根』、今年公開で大ヒットした『花束みたいな恋をした』など多数の映画作品にも出演。今年は『まともじゃないのは君も一緒』に主演したのに続き、ヒロイン出演作の公開待機作が続々控え、朝ドラヒロインと併せ、今年本格的なブレイクが期待されます。
そんな清原さんの魅力はまず凛としたたたずまい。よく若手女優で“透明感あふれる……”と形容される人もいますが、清原さんはそれに加え、凛とした存在感、意志が強そうな瞳の力が大きな魅力です。それは、時代劇や戦時下でのシリアスな作品ではもちろん、『俺の話は長い』のような今どきの学生役を演じるコミカルな作品でも、どこか品の良さを感じさせます。
そして何よりしっかりとした演技力。現代劇から時代劇まで幅広い役柄を演じ、それぞれの作品において安定感のある芝居を見せてくれます。
『なつぞら』では、演じた“千遥”が物語の中盤で成長した姿として初登場、それを演じるのが清原さんとわかった段階でネットでは歓迎の声が集まりました。少女期から結婚後まで幅広い年代を演じましたが、年を重ねていく様を違和感なく表現。ヒロイン役の広瀬さんに負けず劣らずの存在感を示しました。この頃から、清原さんの“朝ドラヒロイン待望論”が湧き起こり、『おかえりモネ』のヒロイン決定のニュースが出たときには、喜びの声とともに、「これは当然!」という声も目立ちました。
★森七菜、平手友梨奈、髙橋ひかる……逸材が集中する2001年度生まれ
芸能界で逸材が集中する世代というのは大体3年周期で訪れると言われることがあります。最近では、『なつぞら』で清原さんのお姉さん役を演じた広瀬すずさんらがいる1998年度生まれ。橋本環奈さん、葵わかなさんなど主役級若手女優が続々輩出、“キセキの世代”と言われました。
それから3学年下となるのが、清原さんたちの2001年度生まれ。まずは清原さんとともにこの世代を引っ張る存在の森七菜さん。2019年、映画『天気の子』のヒロインの声で注目され、その後『ラストレター』(2020年)、『ライアー×ライアー』(2021年)など多数の人気映画に出演、昨年には『この恋あたためますか』(TBS系)で連続ドラマ初主演したのも記憶に新しいところですが、その自然体の演技の魅力、また難しいシチュエーションでの表現力は評判が高く、一方でバラエティ番組出演時に見せる対応力にも定評があります。凛としてどこか高貴なイメージの清原さんに対し、親しみやすく、普通の子っぽい役柄が似合う素朴なキャラクターが魅力です。
欅坂46の絶対的エースとして活躍後、独特の存在感を発揮し女優としての評価も高まっている平手友梨奈さんも同学年。グループ在籍時に初出演・初主演した映画『響-HIBIKI-』では映画初体験とは思えない堂々としたたたずまいで、その演技が高い評価を得ました。現在は人気ドラマ『ドラゴン桜』(TBS系)での熱演も話題。6月18日公開予定の『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』の公開が控えており、今後は女優としての飛躍も大いに期待されています。
「全日本国民的美少女コンテスト」出身(2014年・グランプリ)で、ドラマ、映画だけでなく、最近ではおもしろいキャラクターでバラエティでも人気の髙橋ひかるさんも2001年生まれ。現在主演ドラマ『春の呪い』(テレビ東京)に出演中。デビュー当時からの、親目線での“可愛い娘”的なキャラクター、近年の清楚で元気な女の子路線とは大きく異なる、“最愛の妹を亡くし、妹の婚約者と付き合う”という難しい役どころに挑戦、女優としてのステップアップが期待されます。
現在バラエティ番組に引っ張りだこの山之内すずさんもこの学年になります。最近ではドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)に出演したほか、6月配信予定のHuluのオリジナルドラマ『悪魔とラブソング』でメインキャストの一人として出演するなど、今後女優活動にも注目です。
さらに、“さくら学院”の元メンバーで、『さくらの親子丼 第3シリーズ』(東海テレビ/フジテレビ系)などに出演した倉島颯良さん、2018年「ミスヤングマガジン」に選ばれグラビアで活躍、最近では堀江貴文氏主演の舞台『クリスマスキャロル』のヒロイン役やドラマ『ガールガンレディ』(MBS/TBS)などで女優としても注目度上昇中の寺本莉緒さんらがこの学年です。
現在19歳~20歳の2001年度生まれ女優。この先、清原さんや森さんらと肩を並べるような女優が登場する可能性もまだまだあります。そんな逸材の登場の予感を大いに感じさせる世代です。
文/田中裕幸