映像や舞台の現場に出ると、業界用語が飛び交います。ひとくちに業界用語といっても様々で、物の名前、向き、状態などいろいろな種類があります。業界用語は物事の状態などを一言で明確に示すことが出来るので便利ですが、演技の世界に入ったばかりの人にとってはわけの分からないものになってしまいがちです。
映像や舞台の現場に行ったときによく知らない言葉が飛び交うと、それだけで委縮してしまいがちです。委縮して本来の能力を発揮できなかった、ということのないように、業界用語はある程度押さえておきましょう。
現場で耳にする頻度が多く、特に重要で基本的な用語をいくつか紹介します。これだけ押さえておけば最低限はOKです!
上手・下手(かみて・しもて)
かみて・しもてと読みます。映像・舞台に関わらず、最も基本で最も重要な用語が、上手・下手です。上手・下手は向きを表わし、客席から見て右側を上手、左側を下手と言います。
演出家や監督が役者の動きを指示する際に「右に2歩動いて」と言ったのでは役者側から見て右なのか、客席側から見て右なのかがよくわかりません。
こののため、上手・下手という表現を利用して、どちらに動いてほしいのか明確に伝えます。現場では上手・下手という言葉を聞かない日はないので、必ず頭に入れておきましょう。
おはようございます
「おはようございます」は、芸能界のあいさつです。普段から使ってるよ、と思う方もいると思いますが、芸能界の「おはようございます」は朝、昼、夜問わず使用します。
使う場面としては、その日初めて会った人とあいさつをする際に使用すると認識しておけばOK。深夜から撮影を開始する現場でも、その日初めて会った人とは「おはようございます」です。あいさつが出来ない人はそれだけでいい印象がありません。基本中の基本です。
初めは慣れないかもしれませんが、自信を持って「おはようございます」とあいさつしましょう。
香盤表(こうばんひょう)
こうばんひょうと読みます。香盤表は、映像の撮影や舞台でどのシーンに誰が出演するのかを一覧にした表のことです。出演者は香盤表を元に自分がどのタイミングで出演するのかを確認します。上記の例の場合、高橋さんは撮影の最初から最後まで出演しっぱなしですが、近藤さんは出演しません。近藤さんは上記の香盤表が出されている日は撮影現場に行く必要はないということです。
例に挙げた画像は映像の香盤表で、舞台の場合はシーンの順番は1から順番に記載されています。舞台の出演者は香盤表を見て、衣装を着替えるタイミングやスタンバイのタイミングをイメージしておくことが大切です。
まとめ わからない用語はすぐ聞きましょう
本記事では、筆者が演技の世界に入った時に「え? なにそれ?」となった用語をいくつか紹介しました。現場に入った時の戸惑いが少しでもなくなれば幸いです。
どの現場でも出て来る用語は大体この程度。しかし、映像・舞台でしか使わない用語となると膨大な数になります。分からないと思ったことは、初心者の特権を利用して、たくさん聞いておきましょう。業界用語を覚えて踏み出す第一歩の手助けに!
ライター・俳優: 綱斗
綱斗と申します。現役で役者をやっていますので、皆さんの立場を理解したうえでの記事作成を意識しています。書いてほしいテーマがありましたら是非お知らせください!
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