舞台のオーディションでは、審査の途中で腹筋や腕立て伏せなどのトレーニングを行うことがあります。しかしこういったトレーニングが、なぜ女優のオーディションで必要とされるのでしょうか?
オーディションで、激しいトレーニングが求められる理由とは?
舞台の出演者を募集するオーディションや、舞台俳優を多く擁する事務所オーディションの場合には、演技やダンスの審査だけでなく、体力をチェックする審査もあります。
私が体験したオーディションでは、まず演技審査の前に「腕立て伏せ」「腹筋」「マラソン」が組み込まれていたこともあります。しかし、なぜこんなことが行われるのでしょうか。
これは、急に体を動かすとケガをすることがあるからです。オーディションでは、激しい演技のシーンを要求されることもあります。喧嘩のシーンや、殺陣などの激しいアクションシーンを求められることもあるでしょう。そういう時にケガをしないように体をほぐし、温める必要があります。さもないと、足首をくじいたりひねったりしてしまうかもしれません。そうなったら、もうオーディションどころではないでしょう。
審査ではなく『準備運動』として、こういった運動の時間が設けられることもあります。
しかし、その一方でこのようなトレーニングが審査の対象になることもあります。それはなぜでしょうか?
オーディションで女優としての基礎体力がチェックされる
まず、女優はとても体力がいる仕事です。華奢でスリムな女優さんもたくさんいらっしゃいますが、その体にはしっかりと筋肉がついていることがほとんどです。
たとえば、舞台やミュージカルでは2時間以上、動いたり踊ったり歌ったりしなければならないこともあります。熱いスポットライトの下で演技をし続けるのは、生半可な体力ではできません。ですから、女優には基礎体力が欠かせないのです。
それだけの演技ができる体力があるかどうかを、オーディションでチェックすることがあるのです。
いろんなキャラクターを演じるために、筋力は必要
また、女優はどんな人でも演じ分けなければいけません。「キャラクターの演じ分けに体力なんて必要あるの?」と思われるかもしれませんが、たとえば若い女性が老婆を演じるだけでも、大変な負荷を体にかけなければいけません。背筋を曲げ続け、体をふるわせ、それでいて周囲を圧倒させるような演技をしなければならないなど、気を使うべきところはたくさんあります。
ちょっと演じただけで筋肉痛になってしまうようでは、「女優に向いていない」と思われてしまうかもしれないのです。
いろんな役を演じるためには、筋力は必要です。
また、ミュージカル女優を目指している人は劇場内に響くだけの声量も必要です。その声量を支えているのは腹筋などの筋力です。よりパワフルな歌声が欲しいならば、筋肉トレーニングは欠かせません。
それだけに、筋肉がまったくないひよわな女優は好まれにくいという背景もあるのです。
健康な体は、女優の資本でもある
テレビや映画の女優は、そこまでの体力や筋肉は求められません。しかしながら、健康な体が求められます。役者にとって体調管理はとても大事なもの。予防できるはずの病気やケガで大きな役を演じる機会を逃したり、スケジュールに穴を開けてしまったりしてはいけません。そのためにも、いつも健康でいなければいけないのです。そのためにも強い体を作っておくべきです。
体を鍛えることで代謝も良くなり、美肌効果も期待できます。女優になりたい人は、セリフの練習やスタイル磨きだけでなく、体を鍛えることにも気を配ってみましょう。