アイドルグループ・SKE48が、中心メンバーだった松井珠理奈さん卒業後、初となるシングル『あの頃の君を見つけた』を9月1日にリリースします。その新生SKE48のセンターポジションに抜擢されたのが、なんと12歳の“研究生”林美澪さん。そんな彼女について、本人のコメントも交え、詳しく紹介します。
★12歳ながら“しっかりした子” 今後のSKE48を引っ張る存在として期待
SKE48が2008年に結成以来、グループの絶対的エースとして活躍してきた松井珠理奈さんが今年グループから卒業。SKE48は新時代を迎えることになりました。
そんななか発売されるニューシングル『あの頃の君を見つけた』。センターポジションは誰が務めるのか注目されていましたが、抜擢されたのは、なんと12歳の林美澪さん。まだ正式メンバーでもない研究生です。林さんは「今はとにかく不安が勝っていて、嬉しい気持ちよりも、“私で大丈夫かな”という気持ちが強いんですけど、選ばれたからには精一杯頑張りたいと思います!」(GirlsNews、8月20日付)と率直な胸のうちを明かしてくれました。
公開された新曲のミュージックビデオでは、透明感あふれる美少女性を発揮、その抜擢もうなずけると思えます。
林さんは、今回のシングルの選抜メンバーの中ではもちろん最年少ですが、お姉さんメンバーたちからは「しっかりした子」と評判で、芸能活動の一方、学業にも力を入れ、1日5時間は勉強にあてているとのこと。インタビューの場でもクレバーな受け答えが印象的でした。
★ “美澪さんに、あの頃の珠理奈さんをみつけた”!? 珠理奈イズムを受け継ぐ新エース
12歳の林さん、今回の新曲ではまだ歌詞で描かれている心情は理解しにくいようですが、歌うにあたり物語の役を演じるみたいなイメージで歌ったといいます。歌詞で描かれているような青春を体験しきれていないので、どんな感じなんだろうと想像しながら、“妄想しながら”歌っていたとのことです。
新曲のタイトル『あの頃の君を見つけた』は “美澪さんに、あの頃の珠理奈さんをみつけた”という捉え方もできます。珠理奈さんもSKE48に加入直後、AKB48のシングル『大声ダイヤモンド』にて、姉妹グループのメンバーながら選抜メンバーに抜擢されましたが、そのときの年齢が11歳。さらに当時のエース・前田敦子さんとともにセンターポジションにも大抜擢、大物ルーキーとしてシーンに登場しました。
どこか当時の珠理奈さんと重なる部分もある林さん。珠理奈さんとは一緒に活動した期間は短いものの、「たくさんお話しできた」と語ります。林さんは珠理奈さんの卒業シングル『恋落ちフラグ』のカップリングにて、珠理奈さんが特に期待するメンバーで結成したユニット・Black Pearlのメンバーに選出されたのに続き、珠理奈さんの卒業コンサートでもソロで歌う機会があり、そこでもいろいろアドバイスしてもらったそう。
珠理奈さんはクールに見える外見とはウラハラに(!?)、後輩メンバーに対してとても面倒見がよく、そのプロデューサー的な志向から、期待のメンバーには“ここをこうすればさらに伸びる”という目線で、的確なアドバイスを送っていたと聞きます。
そんな珠理奈さんから「いろいろ話してくださって。勉強になることが本当にたくさんあって、特に表現力が身についたのが一番です」と、林さんは嬉しそうに語ります。
★低年齢の女性なファンの年齢層の拡大に期待
林さんは本格的にSKE48の楽曲に参加するのは今回が初となるので、そのポテンシャルはまだまだ未知数ですが、新曲のミュージックビデオを観ると、特にイメージシーンからはみずみずしさとともに、そのスター性を十分に感じさせてくれます。12歳・研究生の新センター……絶対的エースが卒業しグループ自体生まれ変わるこのタイミングでは、これくらい思い切った人選がいいのかもしれません。
現在中学生の林さん、実は周りの友達の間ではSKE48のことはほとんど知られていないといいます。今やトップクラスの人気グループの乃木坂46ですらあまり知られてなく、韓国アイドルのほうが人気とのこと。
女性アイドルグループは“ブーム”から“カルチャー”として日本のエンタメシーンに根付いていますが、それを支えているのは、やはり年齢が高めの男性であるのは事実(この数年“女ヲタ”といわれる女性ファンの比率もかなり増えていますが……)。
そんななか、新たな感性をもった世代の林さんが、アイドルグループの人気をさらに幅広くするきっかけになること期待したいところです。林さんはいいます。「私は現代っ子のみんなを学校生活などで見ていて、現代っ子の情報をいろいろ持てると思うので、今どきの情報をテレビでも発信できたらと思っています。まずこの曲でたくさんテレビに出ることが目標ですし、この機会にSKE48を広められたらいいなと」(同上)と意欲を見せます。
そんな彼女が積極的に取り組みたいことが「アニメ」とのこと。「周りのみんなアニメが好きなので、アニメ関連のお仕事もできたら嬉しい! SKE48でアニメの主題歌をやったり、そういうのは絶対いいと思って」(同上)と目を輝かせていました。林さんの新たな感性とみずみずしい存在感が、新生SKE48を牽引することに期待したいです。
文/田中裕幸