今さらながら、『プリズンブレイク』にハマっています。世界規模の大ヒット作ですから、やはり面白いです。次から次へと予測できない事件が起こり、展開が二転三転。主人公のイケメン具合も最高です。
こちらの作品のテーマのひとつが「冤罪」。ニュースなどでは時々目にするこの「冤罪」ですが、意外と「冤罪」の補償やその後について知る機会はありません。冤罪となった人はどれだけの補償を受けるのか、冤罪を罰してしまった機関や人に何らかの裁きはあるのか。今回は、この「冤罪」について改めて掘り下げてみようと思います。
なお、起訴されたものに関して、犯罪があったかどうかは最終的に裁判所が判断します。憲法37条は「すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。」と規定し、刑事訴訟法333条は、「被告事件について犯罪の証明があったときは、…判決で刑の言渡をしなければならない。」と規定しているからです。
もっとも、検察官は「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは公訴を提起しないことができ」(刑事訴訟法248条)、軽微な事件で、前科がないような場合は裁判にならない場合もあります(いわゆる不起訴)。したがって、裁判にするか否かについては検察官が判断することになります。
過去には、逮捕されてから無罪判決が言い渡されるまでの133日間で、166万2500円の補償が認められたものがあります(1日1万2500円計算)。
もっとも、被害者が公務員個人に対して直接請求することはできないとされており(最高裁昭和30年4月19日判決)、被害者は国に請求できるのみです。また、前述の刑事補償とは別に、さらなる国の責任を追及するのは一般的にハードルが高いです。
また、刑事訴訟法198条5項は、「被疑者が、調書に誤のないことを申し立てたときは、これに署名押印を求めることができる、但し、これを拒絶した場合はこの限りではない。」と規定しています。被疑者には、署名押印拒否権が認められているため「自分はそんなこと言っていないのに」と感じたら、そのような供述調書に署名・押印しないように注意してください。なお、逮捕・勾留されていない場合など、携帯などを持ち込むことができる場合は取調べを自ら録画・録音することも不可能ではありません。もっとも、警察からは喜ばれないでしょうね。
暴力的な取調べや長時間にわたる取調べなど、違法・不当な取調べを受けることがあったときには、弁護人に早めに伝えてください。弁護人は、警察官や検察官に抗議をするなど、被疑者の権利を守るために最大限活動します。