こんにちは! 中村ナツ子です。
今回は、実際に役者として舞台に出演してみて気が付いたことや、その上で気を付けると良いと思ったことについて書いていきたいと思います。
いわゆる「小劇場」と呼ばれる演劇に出演している私の所感です。
気付き(1):衣装や小道具は、自分たちで揃えることが多い
大きい規模の商業演劇だと、スタッフさんが付いて衣装や小道具は全部用意してくれることもあるのですが、小劇場では殆ど自分たちで揃えます。
劇団が買ったり作ったりしてくれる場合もありますが、仕上げの簡単な裁縫は自分ですることが多いです。
役に合っている衣装や小道具を私物から持ち寄ることも非常に多いです。
私の場合は、学生時代にいわゆるゴスロリ・王子系の服が好きだったため、中世ヨーロッパ風の衣装や男役衣装をたくさん持っていたのが役に立っています。
また、コスプレもかじっていたのでウィッグのセットに慣れていたのも役立つ場面が多いです。
現代劇中心に出ている人には無用のスキルですが、私のようなアングラ・耽美系好きには趣味が実益を兼ねていてかなり良いです。
気付き(2):メイクも自分でやるので、日々研究すると◎
小劇場にメイクスタッフさんが付くことは、基本的にありません!
劇場で、毎日自分でその役になるメイクをします。
「普段メイクしないから分からない…」では済みません。
最近ではYoutubeやTwitterなどでメイク知識を教えてくれるアカウントも多く見受けられますので、日々そういった情報を追いかけると良いです。
また、舞台メイクは日常生活でするメイクとは違う部分が多いです。
ザックリと、こんなところを気を付けるといいかなぁと思うことを挙げてみます。
とにかく全てにおいて意識すべきポイントは、「客席という離れた距離から良く(その役に)見えるように」ということです。
ファンデーションは、スティックタイプがオススメ
スティックファンデーションは、日常生活で使うと「うわっ、厚塗り…」と思われてしまいそうなくらいしっかりカバーしてくれます。
陶器のようにピタッとした仕上がりになるので、キャンバスを整えるようなイメージで顔の色ムラを全て消し去ってくれて、後のメイクが乗りやすくなります。
ファンデーションを塗ったあとのお粉もぶ厚めが◎。
変にテカらずマットな仕上がり(ツヤ感は後からハイライトで足せばOK)&崩れにくくなります。
アイシャドウやチークなどのカラー系は発色最強のものを!
日常のメイクのように薄く付けてしまうと、照明で全て飛んで見えなくなってしまいます。
発色が良いものを選ぶようにしましょう!
個人的に発色でオススメのブランドはシュウウエムラか、三善(みつよし)!
特に三善は舞台メイク専門のブランドなので、カラー系以外にも舞台向きに作られた化粧品が揃っています。
新宿のオカダヤやサブナード、渋谷地下街などで購入できるので、見てみてくださいね。
眉やアイラインはガッツリ大げさに
こちらもカラー系と同じ理由で、特に眉毛は照明で飛ばないようにシッカリ書きましょう。
アイラインについては、「目の形に沿って」ということは考えず!
演じている役が「おっとりして柔らかい性格」なら「タレ目に見えるように、下まぶた目尻側の涙袋の外側ぐらいに線を引く」、「キツくて強い性格」なら「上側の目尻に1.5cmくらい太目の線ではみ出してツリ目に」といったように、絵画的に表現してしまいましょう。
大胆なアイラインの引き方については、コスプレメイクやギャルメイクが参考になります!
気付き(3):舞台に出演する上で、週3くらいの稽古に1~2ヶ月参加する必要があり、大変
当たり前じゃん! と言われてしまいそうなのですが、演劇をやってみて初めて気付いたことです(笑)
経験上、大体週3日くらい(本番直前は週5)のペースで、平日は夕方~夜に3時間程、土日は日中含め5~7時間といった形式で稽古をやっている劇団が多かったのですが、これに1~2ヶ月参加するというのは案外大変です。
日中働いた上でその後さらに稽古に参加するという体力面で疲れが溜まります。
また、仕事が稽古時間と被ってしまっている人は、優先順位を考えつつ仕事を減らさなければなりません。その分収入も減ってしまいます。
しかしながら、稽古場に通うための交通費が掛かってくるので出費は増えます。
そして、役と向き合いどのように表現すれば良いのか日々考えていると、精神面でも削られます。
体力面・経済面・精神面、全部消耗します! (笑)
だからこそ、生活の約2か月間を捧げる作品は、慎重に選ぶべきでもあります。
「舞台女優になるには その1 〜養成所編〜」で書いたように、自分がどのような作品に出て行きたいのかをしっかり分析してオーディションを受けましょう。
演劇はつらいけど、楽しい
また、「なんでそんなつらいことしてるの?」と言われてしまうこともありますが、これは一重に「楽しいから」に他なりません。
舞台を終えた時の達成感、お客様に「楽しかった」「感動した」と言ってもらえる瞬間など、つらさの向こうにあるやり甲斐が非常に大きいのは、演劇の唯一無二の魅力ではないでしょうか。
大変なことも多々ありますが、それでも続けていきたいものですね。
お互いがんばっていきましょう!!