劇団ひまわりの全日制研究科に所属するお二人に、1日のスケジュールや授業の内容、実感している劇団ひまわりならではの良さなどをお話していただきました!
スクールを探している方、劇団ひまわりのレッスン内容が気になる方、俳優になるための一歩を踏み出したい方はぜひチェックしてみてくださいね。
研究科所属の二人
自己紹介をお願いします。
坂本
坂本紗莉奈19歳です、趣味は河原で歌うことです! バイトの後の深夜だと静かで周りに人もいないので気持ちよく歌えます。
それは気持ちよさそうですね! でも女の子なので気をつけてくださいね……
立花
立花真之介、26歳です。趣味は人とご飯を食べることです。
人数は3~4人から10人くらいで、パスタや鍋などを僕が作ってみんなに振る舞います。
みんなでわいわいするのがお好きですか?
立花
というより、人がわいわいしてるのを見るのが楽しいです。
二人とも意外なきっかけ? 劇団ひまわりに入った理由
お二人は現在、全日制研究科に所属とのことですが、劇団ひまわりさんに入られたきっかけと、入ってどのくらいか教えてください。
坂本
もともと福島出身だったのですが、東日本大震災があって新潟に引っ越し、中2のときに劇団ひまわりの新潟エクステンションスタジオに通い出したのがいちばん最初です。もともと漫画家になりたくて、人間観察のためにいいかなというくらいの気持ちでした。
でも新潟にいらっしゃった現・所長の栗田芳宏さんというシェイクスピアの演出で有名な方に出会って、続けていくうちに演技のほうが楽しくなってしまって。一年だけ仙台エクステンションスタジオを経由して、高校卒業と同時に東京に出てきました。ひまわりに入って7年目です。
立花
社会人中心のアマチュアの団体に所属していたのですが、「これ以上ここにいても成長する見込みがないな」と感じ、ちゃんとしたところで一度学び直そうと思ったのがきっかけです。検索で一番上にでてきたのがひまわりでした。「ここだから」という理由ではなくて言いづらいのですが……。ひまわりに入って3年目になります。
もともと演技経験があってあらためて学ぶ場として選ばれたのですね。いちばんはじめに演技をしようと思ったのはどんなきっかけですか?
立花
それが、大学デビューしたくて飲みサーだと思って入ったサークルが演劇サークルだったという……行き当たりばったりなエピソードですみません(笑)。そんな感じで100%受け身で足を踏み入れたのですが、初めて演じたのが喜劇で女装の役で、ウケが取れたので楽しくなってそこからどっぷりとハマってしまいました。
偶然が運命に変わったんですね。
劇団ひまわり 全日制研究科の1日のスケジュール
レッスンがある日のお二人の1日のスケジュールを教えていただきました。
二人(研究科)ベースとなるスケジュール
9:45 集合
・特に直近の予定がない場合はみんなでラジオ体操、発声などをして体を温める
・公演やイベントが近い場合はみんなでその練習をする。
10:30~12:30、13:30~15:30 授業(1日2コマ)
授業内容は演技、ダンス、歌、殺陣、バレエ、日舞など。
※研修科・声優科の授業内容について
研修科の授業内容は一部違うがほぼ同じ。
声優科の授業内容はかなり異なり、ナレーション、声優演技、アニメ、外画(洋画)、朗読、発声・聴音、ダンス(バレエ・アクションがない)など。
朝と授業以外の時間の使い方は人それぞれ。 1日2時間スタジオが使用できる
坂本
スタジオがひとり1日2時間まで取れるので、授業後や休み時間など、平日毎日スタジオを使っています。先着順で取ることができ、その時その時で借りた人が一人で使いたいかみんなで使うか決めることができます。みんなで使うことのほうが多くて、例えば日舞のわからないところをできる子に教えてもらったり、みんなでダンスを習ったり。オーディションなどの練習を個人的にしたい場合は一人で使えます。
立花
僕は授業後は基本バイトをしています。バイトが無い日は残ってスタジオでの練習にまざります。
坂本
私たちは二人ともとってないけど、夕方からの青年部の授業を追加で取っている人もいるよね。
多彩な授業。難しいのはどれ?
本当にいろんな授業があるようですが、お二人がこれ苦手というものはありますか?
立花
ダンス、殺陣、日舞などの直接的な身体表現は難しいと思う人が多いですね。アクションは、女子は怖いという人が多いかも。
坂本
そうですね、はじめは怖いし、自分に当たるのはいいんですけど、相手に怪我させないようにしないと、という意味で怖いですね。
立花
演技は目に見えませんが、これらは目に見えるからこそできる人とできない人の差が露骨にわかってしまうところがしんどいです。特に殺陣やアクションはただ動ければいいというわけではなく、見せることを意識しなければいけないので難しい。やられるのもわかりやすくやられなければいけないので難しいです。
坂本
うまくできないから駄目みたいなことではなく、苦手なものはしっかり教えてもらえるのでその点は心配しなくても大丈夫だと思います。
劇団ひまわりで学べるのはどんなこと?
劇団ひまわりのレッスンで学べるのはどんなことですか? 自分が身についたなと思うことをいくつか教えてください。
立花
下ネタが入っていて言いづらいのですが、「演技はセックスだ、オナニーじゃ駄目だ」とよく言われます。演技は自分一人で行うんじゃなくて、相手との間にあるものだ、という考え方です。
坂本
たくさんの先生に教わる機会があり、それぞれの先生が持っている演技に対する違った見解を知ることができるところがいいなと思っています。研究科の演技で山下晃彦先生に教わっているのですが、山下先生は「演技とは交流すること、課題を見つけること、視覚化すること」という考えをお持ちで、その考え方を知れたのが今のところ今年一番の収穫です。
立花
さまざまな考え方を知るだけでも勉強になりますし、自分に合った考えを見つけられると思います。演技に関して、何となくやっていたことを先生方が一度言葉にして提示してくださるので気づきが多いです。
例えば悲しい気持ちを演じる場面をうまく演じられなかったときに「ただ悲しい気持ちになっている演技をしようとするからうまくできなくて、なぜ悲しい気持ちになるのか考えてる?」と言われたり、認識していない部分を気付かされます。
坂本
個人的に大きいと思っているのが、先程お話したようにスタジオが取れること。そのおかげで自主稽古がしやすく、みんなで伸びていける感覚があります。
また、呼吸・発声の基礎からしっかり教えてくれるので、未経験の方が一年ですごく成長できる環境だと思います。
立花
やることを選ばなければ何でもできます。先ほど授業についてお伝えしたとおり、演技だけでなく一通り全部やることになります。すべてを実際の仕事でやる機会があるかはわかりませんが、持っていて損がないことで、今後役者としてどうしていきたいか考えるときに選択肢が減らないようなカリキュラムになっていると思います。
坂本
例えば日舞では所作を学べますし、ダンスをやっていると舞台に立ったときに動ける人動けない人という話がよくあるのですが、舞台で動くのに役立ちます。芝居をするのには自分を上手に見せられる人であることも大事なので、さまざまな授業全部が実はつながっているんだなと感じます。
劇団所有の劇場あり。劇場や公演の思い出は?
この東京俳優養成所には劇場があり、定期的に公演を行うと伺っていますが、公演での思い出や印象があれば教えてください。
坂本
立派な小劇場に立たせてもらえる貴重な機会なのでそれも嬉しいです。商業演劇では1か月くらいの短い時間で稽古することが多いですが、3か月じっくりかけて稽古でき役を作り込めるのでいい経験になっています。稽古の間は仲間とぎくしゃくしたりすることもあるのですが、もう一度みんなで見直して、最後は笑顔で終われたことがいい思い出になっています。音響などのスタッフさんにも研究科卒の方がいて、公演をきっかけにお話して仲が深まることもあります。
立花
ひまわりに入る前にシェイクスピアしかやらない団体で、他に好きになれる作品があるのではという気持ちもあってひまわりに入ったのですが、栗田さんがいらっしゃってここでもシェイクスピアをやれていて、それは感慨深いですね。
シェイクスピアがお好きなんですね。
立花
はい、悲劇のほうが有名かもしれませんがなかでも特に喜劇が好きです。特に好きなのが『十二夜』で、真面目にやってセリフや動線も守ってるのに、その日の気分が反映されて毎回違う芝居になってカオスを味わえる作品で。自分の出番ではないときに見ていても毎日違うのがわかって面白かったです。
劇団ひまわりでよかったと思うことは?
劇団ひまわりでよかったなと思うことはどんなことですか?
坂本
新潟・仙台・そして東京の全日制と3か所のひまわりを経験してきました。どこでもはじめはぎこちないのですが、次第に慣れ、いろいろなことを一緒に乗り越えて家族のような関係になれ、みんな表現は違うけれど自分の表現を受け入れてくれるところだなとあらためて思います。自分の表現を出しやすい環境だと思います。
支えてくれる人がいるうちは甘えたほうがいいと思うのですが、日々支えていただいているので感謝しかないです。
立花
毎年シェイクスピアに関われていること。手取り足取り基礎を教えてもらえるので、入るまで演技歴はあったものの「自分は意外とできてなかったんだなぁ」ということに気づけたこと。うっすら持っていた自信が何度も叩き潰されますが、自分の演技を客観的に見直せて気づきが増えました。
困った時は助け合い、一緒に芝居論を語り合える仲間
前回の劇団ひまわりインタビューで、「一緒に夢を目指す仲間ができたことが大きい」という方が多かったのですが、お二人の劇団ひまわりでの仲間とのエピソードがあれば教えてください。
坂本
私は声優科から研究科に入ったので、もともと声優科になかったダンスや日舞・殺陣など、体を動かすものが苦手でてんやわんやで。そんなときもみんな聞いたら教えてくれるし、一人で練習するより誰かと一緒に練習してくれる。立花さんも殺陣の授業で剣の持ち方を教えてくれたりして。
立花
周りも自分も教わっている側でしょうもない人間なんだけど、それぞれが持っている芝居論みたいなものを語り合えるのが嬉しい。演技に関する発見って、教わることもすごく大事なんだけど、教わるのと自分で見つけるのとでは自分の中で持っている価値が違うとおもっていて。
坂本
わかる。
立花
先生相手には立場が違いすぎて自分なんかが考えていることは口にできないんですけど、仲間と「これってひとつの正解だよね」というようなことを自分たちで見つけるのが楽しいです。
これから俳優として挑戦したいこと
お二人の今後の夢や挑戦していきたいことを教えてください。
坂本
例えば同じリアリズムでも、栗田さん演出でやるリアリズムとストレートプレイでやるリアリズムは違う。今はまだ知っている表現が少ないので、いろんな演出家の方について表現を磨き、役者としてのスキルを身に着けていきたいです。またもっと後の夢ですが、もともと声優科だったこともあり、いつかは外画やアニメにも出演したいです。
作品だとシェイクスピアの夏の夜の夢のヘレナ役をやってみたいです。妖精なども出てくるファンタジックな喜劇なので。劇場だと彩の国さいたま芸術劇場、また豊島区に新しく出来る東京建物Brillia HALLにも立ってみたいです。
立花
シェイクスピア作品に関わり続けていきたいです。舞台でないと得られないものがあると思うので、自分がそれを出せるようになりたいです。
作品ではシェイクスピアの『空騒ぎ』に、劇場は僕も彩の国さいたま芸術劇場に出たいです。本当は、蜷川幸雄さん演出のリチャード2世に出てみたかったです。
役者以前に人間として成長できる場所(坂本)最終的には自分の気持と行動次第(立花)
最後に一言お願いします!
坂本
劇団ひまわりは役者として育つ以前に人間として成長できるいい場所だと思います。興味を持っている方、待ってます!
地方に住んでいて上京するか悩んでいる方へ、東京にでてくることが不安かもしれませんが、心を開けばうまくいくかもしれません。
また自分に厳しい人ほどつぶれる気がするので、ある程度は自分を許してあげつつ打ち込んだほうがいいと思います。
立花
確かに。
やはり役者を目指すということは精神的にも大変なことが多いのですね。坂本さんご自身が読んでくださっている方にお伝えしたいこともあればぜひどうぞ。
坂本
表現者として1日1日成長できるように、私だけの表現を身につけられるように頑張るので応援してください! ご縁がありましたらよろしくお願いいたします。
立花
もしこれから役者を目指そうと考えているなら、どこで何をするかも大事だけど、自分がそこでどういるかが大事なので、最終的には自分の気持ち次第だと思います。
がむしゃらに頑張っていくので、見つけたらよろしくお願いいたします!!
ーありがとうございました!
まとめ
前回お聞きした多彩なレッスンメニューについてより詳しくお聞きすることができました。演技にまつわる身体表現を広く学ぶことで演技につなげていく点が最大の特色といえるのではないでしょうか。
新たにお伺いしたスタジオが借りられるという利点、みんなで協力して一緒に伸びていこうという考え方なども印象的でした。今回は全日制の方のご紹介でしたが、お仕事や学校が有る方が学べるコースもありますので、今回劇団ひまわりの雰囲気が気になった方は、ぜひそちらも合わせて検討してみてはいかがでしょうか。
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