以前はモデルとして仕事をする上で事務所に所属することが一般的でしたが、最近では必ずしも事務所に所属する必要はなくなってきました。事務所に所属せずにモデル活動を行う「フリーモデル」も増えており、事務所に所属していなくてもモデルとして活躍している人は決して少なくありません。
モデルになる上では、事務所に所属するかフリーとしてやっていくかを考える必要があります。この記事では事務所所属のメリット・デメリットについてご説明します。
メリット
まずはモデル事務所に所属することによるメリットについて見ていきましょう。
トラブルがあっても守ってもらえる
近年世間でも取り沙汰されているセクハラやパワハラは、モデル業界でも起こっています。さらに、報酬関係のトラブルも非常に多いです。
事務所に所属していると、事務所のスタッフがモデルを徹底的にサポートしてくれます。万が一トラブルがあった場合でも適切な対処をしてもらえるので、泣き寝入りをしなくても済むでしょう。
お金のやりとりがとても楽
モデルに限らず全ての仕事に言えることですが、一年で稼いだ額に応じて税金を納めなければなりません。そのために毎年2〜3月ごろに確定申告をする必要があります。
フリーの場合「どの仕事でどれだけの報酬を稼いだ」という所得の計算を全て自分で行わなければなりません。しかし事務所に所属していると、確定申告の前に源泉徴収票をもらえるので、所得の計算はとても楽になります。
デメリット
次に事務所に所属することのデメリットについてご説明します。
自分で仕事を選べない
モデル事務所に所属していると、事務所から依頼された仕事しかこなせなくなります。所属しているのに事務所を介さず個人で仕事を請け負い、報酬を受け取ると「闇営業」となり、契約違反ということで事務所と揉める可能性があります。
ちなみに「闇営業」とは事務所に所属している人が事務所を介さず仕事を請け負うことを指し、必ずしも反社会勢力と関わることを意味するわけではありません。
最近ではSNS経由で仕事をとっているモデルも増えています。フリーであれば問題ありませんが、事務所に所属している人がSNS経由で来た仕事を勝手に行うと「闇営業」になってしまいます。依頼された仕事がどんなにやりたい仕事であっても、事務所に所属している以上勝手に仕事をすることができません。
同時にモデルは事務所から振られた仕事しかできないということにもなります。例えやりたくない仕事であっても、事務所から振られた以上やるしかないことも現実には非常に多いです。
事務所との相性が悪いと仕事がこない
事務所のスタッフや社長と揉めると、仕事を干されることもあります。仕事を干されれば報酬も得られないので、「干す」とは経済制裁に近いです。
一方で、「別にお互いに嫌いではなく、むしろ人間関係は良好なのに仕事がこない」ということも珍しくありません。事務所スタッフとの相性は悪くなくても、事務所そのものとモデル個人のキャラクターが合っていないと仕事が来ないことがあります。
例えば自分はカッコイイ系なのに可愛い系のモデルが強い事務所に所属してしまうと、所属はできたものの仕事はないということも珍しくありません。
こうした問題は所属する前にモデル事務所について調べることで回避できます。その事務所ではどのようなキャラクターのモデルが強いのかなど、モデル事務所の特徴を把握した上でオーディションに応募するようにしましょう。
まとめ
事務所に所属することにはメリット・デメリットの両方があります。これらのメリット・デメリットと自分の性格などを照らし合わせて事務所に所属するかどうかを決めるようにしましょう。
ライター・モデル・作家: 鈴木詩織
1990年生まれ。
2016年に一念発起し、勤めていた会社を退職。以降モデル、作家として活動を開始。
過去に3度のミスコン出場経験を持つ。
結婚後も中国の歴史小説を執筆する傍、モデルとしての仕事もこなしている。