「事務所に所属できればモデルの仕事ができる」と思いきや、必ずしも全てのモデルが事務所に入ったからといって仕事ができるわけではありません。実は一番大変なのは、事務所に所属してからです。オーディションを受け続けなければなりません。オーディションに通過しないと仕事はできないのです。
筆者はモデル事務所に所属して数年が経ちますが、今までにたくさんのオーディションで落選してきました。そんな中で「なぜ私が落とされたのか」を考え、マネージャーに相談したこともあります。
この記事では、なぜ筆者がオーディションに落ちてきたのかをご説明します。
オーディションに合格しないと仕事はない
モデルの仕事をこなすためには、仕事を取るためのオーディションに合格しなければなりません。事務所所属のオーディションに通過した後も、さまざまな場所で開催されるオーディションを受け続けなければならないのです。
そして仕事のためのオーディションは非常に倍率が高いのも事実。「そもそもオーディションは落ちるのが当たり前」という前提があります。「合格できればラッキー」くらいの気持ちで構え、落ちても落ち込まないメンタルが必要です。
例えば先日筆者が受けて落選したオーディションは、4000人の応募者があった中で最終的に残れるのは20人でした。もちろんオーディションによって倍率は大きく異なりますし、都度反省して自分自身でモデルとしての実力をつけるのも大切ですが、ある程度の割り切りも必要なのです。
事務所との相性に良し悪しがあることがある
モデル事務所によって扱っている仕事が若干異なることがあります。かわいい系のモデルが強い事務所もあれば、かっこいい系・クール系がたくさん仕事を取れる事務所もあります。中には、幅広く仕事を扱っている事務所もあります。
自分はかわいい系なのにかっこいい系の事務所に所属してしまうと仕事が取りにくくなることもあります。一度一つの事務所に所属してしまうと移籍が難しいため、事務所に所属する前にあらかじめ自分との相性を予測することが大切です。
ただし、一番重要なのはマネージャーと適切な信頼関係を築くことです。それができれば、ある程度仕事がないという状況は改善できます。
個性的すぎる
筆者がモデルの仕事を取れなかった時の最大の理由は「人間としての個性が強すぎる」という点にあります。ご参考まで、この写真はあるオーディションに落ちた時のファッションとメイクの写真です。
「見た目が個性的すぎる」と筆者はモデル業界の人からよく言われます。「ハーフですか?」と聞かれることもよくあります。相手の方も悪い意味で言っているわけではないのですが、顔が濃いことはモデルの仕事をする上でデメリットになることは多いです。
また筆者は悪く言えば「変な人」良く言えば「個性的」と言われる性格です。SNSなどを通じてキャラクターが出すことによって、合う仕事・合わない仕事ができしまうことはあります。
本人の個性が強すぎるあまり、商品よりもモデルの方に注目が集まってしまうのは、仕事の上では良くありません。
個性的な人も、オーディションに通りやすいように対策できる
モデルは外見の個性・キャラクターをアピールする仕事ではなく、扱う商品の魅力をアピールする仕事だからです。例えばファッション誌では、雑誌の読者に見せるのは服やアクセサリーなどの商品であり、モデル本人ではありません。ショーでも同じことが言えます。
外見も性格も個性的である筆者は、この観点からモデルとしては使いにくい素材と言われます。筆者のキャラクターに合う仕事を探すか、自身のキャラクターを仕事に合わせる努力をするなどの対処をしなければなりません。
合わせる努力としては例えば、オーディションの際にナチュラルメイクをして個性の見せ方を変えることが効果的です。
また、コンポジと呼ばれる事務所の写真を工夫する必要もあります。写真に写る際の衣装をあまり尖ったものにせず、幅広いファッションに合わせられることをアピールしましょう。
まとめ
モデルの仕事を得るためのオーディションは落とされるのが当たり前の世界。落とされてもあまり深く考えないことが重要です。
一方でモデル本人の工夫や努力によって改善できることもあります。オーディションで落とされた場合は落ち込むのではなく、適度に反省をするようにしましょう。少しずつコツをつかめるようになります。
ライター・モデル・作家: 鈴木詩織
1990年生まれ。
2016年に一念発起し、勤めていた会社を退職。以降モデル、作家として活動を開始。
過去に3度のミスコン出場経験を持つ。
結婚後も中国の歴史小説を執筆する傍、モデルとしての仕事もこなしている。