少し前に世間を騒がせた「闇営業」。必ずしも反社会組織と関係を持つことではなく、もしかしたら事務所に所属してれば誰しもやってしまう可能性があることなんです。
モデル事務所に所属することで活躍の場を広げるられますが、一方でデメリットも生じます。自由に仕事が選べないことも多くなり、結果として自分のやりたい仕事ができないということも珍しくありません。この記事では、事務所に所属することのデメリットとメリットを実際にモデルとして活動している筆者がお伝えします。
モデルに限らず、事務所に所属して芸能活動をする人すべてに可能性があることなので、ぜひご一読ください。
モデルの活動を制限する「専属契約」
事務所とモデルは契約書の内容をお互いに確認し、専属契約を交わすことで所属が決まります。契約書の内容は報酬のことや仕事をする上での約束事などが一般的です。
その中には「うちの会社以外から仕事をとってはいけません」と約束されていることが多いです。契約期間中は他社に並行して所属するのは不可能ということになります。
さらに個人でクライアントを見つけ、モデルの仕事をすることも基本的には禁止されています。今の仕事に満足できないからといって自分で仕事を取ると「闇営業」となり、トラブルの原因になりかねません。
ちなみに「闇営業」とは必ずしも反社会組織と関係を持つことではなく、事務所を介さずに仕事をすることを指します。
専属契約を交わしているとSNSで仕事ができない
最近ではSNSを中心に活躍している人もいます。しかしそうした人の多くはどこかに所属することなく、フリーランスとして活動している人です。上記のように専属契約を結んでしまうとSNS上での活動にも制限がかかることがあります。
気軽にコミュニケーションが取れるSNSでは、「うちで仕事をしないか」と声をかけてくる人も少なくありません。中には一緒に仕事をすることでより飛躍できるチャンスを持ちかけてくれる人もいます。しかし相手にきちんとした経歴と実績があり、信頼できる場合でも、事務所に所属しているとその仕事を受けられません。
どんなに魅力的な仕事であっても、個人の判断で仕事が取れないのです。「一度事務所を通してください」と相手に伝えることで解決することもありますが、そのまま話が流れてしまうことも多いです。
事務所に所属するメリットとは?
自分で仕事を選べないとなると、事務所に所属するのはデメリットのように感じてしまう方もいるかもしれません。確かにSNSが発達している現代では、活動の上でこうした縛りがあることがマイナスになる場合もあります。
一方で、所属することによるメリットもたくさんあります。
一つ目は万が一のことがあったら守ってもらえるという点です。クライアントから嫌がらせを受けたなどの場合でも、マネージャーが適切な対処をとってくれます。
二つ目は報酬のやりとりを自分でやらなくてもよい点です。事務所に所属することで報酬の交渉や授受などの手間が省けます。クライアントと報酬の件で問題があってもサポートが受けられるので安心できます。
他にも事務所に所属するメリットはたくさんあります。それぞれを踏まえて、自分がモデルとして活躍するためには事務所に所属するべきかどうかを事前に考えるようにしましょう。
まとめ
モデル事務所に所属することによるメリットがたくさんある一方で、自由に仕事が取れないなどの制約もあります。闇営業をしてしまうと揉めごとの原因になりかねません。メリット・デメリットを理解したうえで所属するかどうかを決め、専属契約を交わした上で活動をするのであれば、契約を守る必要があることを理解するようにしましょう。
ライター・モデル・作家: 鈴木詩織
1990年生まれ。
2016年に一念発起し、勤めていた会社を退職。以降モデル、作家として活動を開始。
過去に3度のミスコン出場経験を持つ。
結婚後も中国の歴史小説を執筆する傍、モデルとしての仕事もこなしている。