俳優さんや女優さんには、それぞれ「ホームグラウンド」にしている分野があります。
一番大事にし、何かがあるとそこに帰ってゆく分野、ということですね。
大きくわけて、テレビ、映画、舞台の3つの分野があり、テレビではこの三分野の俳優さんたちが混じって出ているのですが、実はそれぞれ考えていることも仕事のやり方も違います。
どの分野を目指したいか、それぞれの特徴を知って考えておきましょう。
テレビドラマ俳優は知名度が高い
もっとも知名度が高くなり、多くの人から顔を覚えてもらえるのがテレビドラマの俳優・女優。
テレビというのは無料で見られるので、見ている人の絶対数が他の二分野とは比較になりません。
とりあえず有名になりたければテレビなのですが、かなり有名な役者さんでも、テレビだけで仕事を続けていくのは難しいです。
目新しさを重視するテレビの世界では、去年まで仕事がいっぱいあっても、今年はまるで仕事がこない、ということが珍しくありません。
そのため多くの俳優・女優さんは、テレビを出発点にしながら、映画や舞台に少しずつ軸足を移していきます。
映画俳優はいまや貴重
二十世紀には映画というのは一大産業で、映画の仕事しかしない、という俳優・女優さんがたくさんいました。
いまもアメリカにはほとんどテレビに出ず、舞台もやらない純粋な映画俳優がたくさんいます。
しかし現在の日本では映画には昔のような利益が望めないので、俳優・女優がスクリーンからキャリアをスタートさせ、ずっと映画の世界だけで生きていくというのはなかなか難しいのが現状です。
しかし、一度優秀な映画に出て知名度を得ると、「演技派」として長く続く高い評価と、熱烈なファンを得ることができます。
ホームグラウンドにはならなくても、一度はトライしてみたい分野といえるでしょう。
安定した仕事と人脈作りが魅力の舞台
舞台、すなわち演劇やショーのお仕事は三分野の中でも地味なお仕事。出演してもそんなに知名度は上がらず、ファンが劇的に増えることもほぼありません。
また、仕事内容も違います。純粋に演技や歌や踊りのスキルだけで、それも毎日やり直しのきかない本番をこなさなくてはいけません。
しかし、それだけに舞台の仕事がちゃんと出来る、ということは、芸能界では高く評価されます。
いまのテレビ・映画を支える脇役たちの多くは舞台出身で、舞台ができれば他の仕事もできる、と考えられているからです。
テレビでデビューしたアイドル系の女優さんたちが、地味な舞台にトライするようになるのもこのため。
「本物の女優」と認められるためです。
もうひとつ、多くの劇団は定期的に公演をやっているため、安価でも安定してお仕事が来るのも魅力です。
まとめ
このように、どの分野をホームグラウンドにしているかで俳優・女優にも種類があります。
どの分野からスタートするにしても、いずれは三分野全てにトライして、活動の幅を広げてゆくのが賢いコース。
なかでも演劇のお仕事は、一度は真面目に取り組むべき必須分野です。