演技を学ぶ手段の一つとして事務所の養成所に通うという方法があります。事務所の養成所はある程度の費用が掛かりますが、養成所内で認められればそのまま事務所に所属するチャンスがあります。自分のレベルアップしながらチャンスを掴むことが可能な場所と言えます。
事務所によって考え方や方針は異なりますので、いくつか例を挙げながら解説をしていきます。事務所の養成所に行ってみようと思っている方は、今現在の目的に合っているかどうか確認してみましょう。
いくつかある事務所の養成所のスタイルについて
事務所の養成所と一言で言ってもスタイルは様々です。今回は大きく2種類に分けて解説します。
1.即戦力型
2.基礎養成型
それぞれ解説していきます。
1.即戦力型
即戦力を求めて即戦力を養成するタイプの養成所は現場主義です。声の仕事を得意とする事務所の養成所に多いのですが、レッスンの段階から実際の現場と同じようにマイクの前で演技をしたり実戦さながらの内容となっています。
すぐに現場に出せるようなレッスンが中心となり、養成所在籍中にオーディションを受けてそのまま仕事が出来るようなところもあります。声の仕事はソーシャルゲームの登場などにより間口が広くなってきており、即現場に行くチャンスを求めるのであれば、即戦力型の養成所はオススメです。
2.基礎養成型
基礎養成型の養成所では、実際の現場さながらのレッスンはほぼありません。演劇の元祖である舞台での演技を中心にレッスンが構成されます。台本を読み込み登場人物や物語の構造の読み取りを行なったり、舞台上での対人コミュニケーションをレッスンで行ないます。また、舞台上で身体を動かす必要があるので、日本舞踊やバレエといったダンスレッスンが含まれている養成所もあります。
養成所卒業前には卒業公演という一年間の集大成の舞台に立ち、ポテンシャルを見られます。事務所に所属するに値すると判断された人が晴れて所属となります。
基礎養成型は即戦力というよりも、演劇の基礎をしっかりとやりますので、演劇とのかかわり方を長い目で見ている人や、自分のやりたい演技の方向性がまだはっきり定まっていないけど演技をやってみたい。という人にオススメです。
◆即戦力型・基礎養成型それぞれのメリット、デメリット
即戦力型のメリットはうまくいけば、とにかく早い段階で活躍できるチャンスがあるということです。逆にデメリットとしては基礎養成型に比べて基礎をしっかりとやらないので、事務所に入れなかった際に別の場所で演技をする際にうまく活用できない恐れがあるということがあります。
基礎養成型のメリットは、基礎をしっかりやるので演技力の地盤固めとしてはぴったりです。仮に事務所に所属できなかったとしても、別の場所での活躍にはつなげやすいでしょう。デメリットとしてはその場でのチャンスがあまりないことです。
現時点で自分の実力に自信があってすぐ活躍したい人は即戦力型、基礎をしっかりと固めて長い目で演劇に携わっていきたいと考えている人は基礎養成型がオススメです。いずれにしても、養成所がどのような考えの元でレッスンをやっているのかしっかり確認した上で入所するようにしましょう。